目次
プロローグ
第1章 「経済人」の顔をした「承認人」
第2章 日本人はどう認められたいのか?
第3章 <表の承認>が組織を救う
第4章 京都に学ぶ日本型承認の方法
第5章 認められるための戦略ー「農村モデル」と「京都モデル」
気付き
(1)表の承認より裏の承認
日本人は、認められたいという気持ちを正直に表現できないことが多い。それは、表立って自己主張したり突出して目立ったりすることがはしたないとされる一方、分をわきまえ、奥ゆかしく振る舞うことがよしとされるから、すなわち表の承認より裏の承認が重視されるからである。そのため、だれもが表の承認を得たいという本音と、裏の承認を得なければならないという思いの間で葛藤を経験することになる。
(2)短期離職の裏の原因
離職した理由として労働条件が良くないことや、仕事が自分に合わないとか成長できないことをあげていてもそれは表向きの理由であることが少なくない。典型的なのは、周りから認めてもらえない→仕事が楽しくない→孤独を感じる→自信が持てない→離職するといったパターンである。しかも、それが承認の不足だと本人自身も気付いていないケースもあるため、実際より問題が過小評価されている。
(3)ほめると効果が上がるとき、上がらないとき
ほめることで動機づけにプラスとなるのは、有能感が自己決定の情報に繋がるとき。逆に動機づけにマイナスになるのは、統制の手段と受け取られるとき(権力関係があり、感情が絡むとき)、ほめる側の思惑がみえすいているとき、ほめられる側が心理的報酬を期待していない時。
感想
著者は大学教授であり、本も論文のようで疲れますが、内容はしっかりしていて面白いです。世界的に見ても特異な日本という国での承認欲求について、そして仕事においてどう活用するかについて詳しく書かれています。
NEXT ACTION
- ほめるときには統制しようとしていると受け取られないようにする。