目次
はじめに
序章 戦略読書のススメ -読書には戦略が必要なのだ
第1章 読書ポートフォリオ・シフト -セグメント管理で資源配分を変える
第2章 セグメント別ワンキリ読書 -読み方を変えて効率的にリターンを得る
楽章1 ボクたちは読んだものでできている -私的読書全史
第3章 発見型読書法 -5つの視点で5倍読み取る読め方革命
第4章 知のオープン化 -書斎と本棚の魔法の1冊
楽章2 みんなと同じ本ばかり読んではいけない -オリジナリティを育てる珠玉の15冊
終章 知と行のサイクル -読書→思索・行動→発信→スキル
おわりに
文庫版のあとがきとして
付録 セグメント別ブックガイド -独自の視点と思考をつくるための519冊
気付き
(1)生産的な読書法
読書生産性は、読書から得るもの÷かかった時間や手間。より多くのリターンを得るためには、①反常識、②数字、③対比、④一段深く、⑤抽象化の視点で読む。ビジネス本は、①企業本、②ノウハウ本、③フレームワーク本に分類される。200ページの本は、既存の知識100ページ+新規の知識20ページ×5回の繰り返しである。つまり、正味の新しい内容は全体の10%に過ぎない。まずは、それを斜め読みで抽出する。事例や情報は、そのままではなく、一段だけ抽象化して記憶すること。つまり、①素の情報であるデータ、②それを整理整頓したインフォメーション、③そこから意味合いを引き出したインサイト、④それらを統合・抽象化して作り上げたコンセプトという4段階の知の階層の一段上に抽象化して覚えると、あとで他の情報と繋がりやすくなる。
(2)SFの本質的価値
SFの本質的価値とは、根源的問いを立て、それに対して答えを得ること。制限の多い「今の現実」では提供し得ない、極端な舞台と設定と人物たちによって、その問いは純化され、その答えは表現される。たとえば、宇宙人とのファーストコンタクト→コミュニケーションとは何か?機械知性・AIの反乱→人間知性の価値は何か?、無限の寿命を得た天上人たちの世界→ヒトの寿命はなぜ限られるのか?ヒトがすべて電子化されたサイバーワールド→人間を規定するのは精神かあるいは精神と肉体か?良い問いは良い答えを含む。
(3)親方に授けられるべからず(小川三夫:『棟梁』より)
神社仏閣の宮大工の小川棟梁が、西岡棟梁からもらったのはカンナ屑だけだった。徒弟制度は、宮大工にもっとも大切な「執念」を生むためにある。やりたい、やりたいと思うまで我慢させて、タイミングを見計らって、取り返しのつかないような大きな仕事を任せる。弟子は喜ぶが不安でもある。できたら実力も自信もつく。弟子と師匠の我慢比べだ。
感想
読書に関する様々な戦略が書かれていましたが、一番の気付きは「SFは根源的な問いである」ということでした。SFをもっと読んだり映画を見たりしたいと強く思いました。
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