目次
第1章 「1秒だけ財務諸表を見るなら、どこを見るか?」・・・貸借対照表
第2章 「なぜ、国の財政は破綻しないのか?」・・・損益計算書
第3章 「なぜ、リニアや第二東名はなかなか完成しないのか?」・・・キャッシュフロー
第4章 「なぜ、IT企業はブランドにこだわるのか?」・・・固定費と変動費
第5章 「なぜ、航空券には早割り格安チケットがあるのか?」・・・増し分利益
第6章 「なぜ、液晶テレビの価格はどんどん下がるのか?」・・・直接原価計算
第7章 「なぜ、小林製薬ではヒット商品が次々と生まれるのか?」・・・PPM
第8章 「なぜ、企業業績は良いのに『現金給与総額』は上がらないのか?」・・・付加価値
気付き
(1)1秒だけ財務諸表を見るとすれば「流動比率」
短期的な安定性を確認しないと会社はつぶれてしまう。企業はたいていの場合、流動負債(1年以内に返済義務のある負債)を返済できなくなって倒産する。その流動負債を返済する能力を見る指標のひとつが「流動比率」。流動資産(現預金・売掛金・棚卸資産などすぐに資金化できるもの)が流動負債よりも多いこと(流動比率が100%を超えていること)が重要。
(2)利益は調達コストより高くなければならない
ROA(資産利益率)は、WACC(加重平均資本調達コスト)よりも高くなければならない。資本の調達コストは優良企業でも最低5%程度はかかっている。負債の調達コストよりも純資産の調達コスト(CAPM)の方がずっと高いことに注意。トヨタは純利益が高いため放っておくと純資産がどんどん増えてWACCが高くなる。そこで、有利子負債を調達して、バランスシートの両側を膨らませることでWACCを下げている。
(3)経営的に出さなければならない利益
①使っている資産から見た必要利益(ROA)、②働く人の福利向上のための必要利益(ひとりあたりの付加価値)、③借入金返済のための必要利益、④株主還元のための必要利益を出さなければならない。したがって、経営計画は利益から立て、必要な売上高とコストの目標を立てる。コスト削減は、非付加価値活動は極力簡素化し、付加価値活動は、バリューエンジニアリング(VE)の考え方で、機能・効果を下げずにコストを下げる。
感想
簡単そうな本に見えて、意外と本格的で難しかったです。会計知識があれば、大企業の動きの本質が見えてくると思います。
NEXT ACTION
- 日経新聞の月曜の「景気指標」も見てみる。