目次
はじめに
第1章 古代の戦いから「戦略思考」を学べ
第2章 中国の軍師から「逆転力」を学べ
第3章 巨大帝国から「実行力」を学べ
第4章 戦国時代から「競争戦略」を学べ
第5章 植民地戦争から「危機のリーダーシップ」を学べ
第6章 近代の戦争から「組織運営」を学べ
第7章 西洋列強との戦いから「情報活用力」を学べ
第8章 世界大戦から「イノベーション」を学べ
第9章 現代の戦争から「学習力」を学べ
おわりに
気付き
(1)ナンバーワンになるにはまずは弱者を攻撃する
ランチェスター戦略では、競争目標と攻撃目標を分ける。一番の会社を目指しながらも、攻撃するのは下位の弱者であるべき。源平合戦では、源頼朝は富士川の戦いの後、平家の軍を追わず、関東に戻り地固めをしたことが勝因となった。
(2)群雄割拠の中では弱者同士を団結させない
強者にとって分断は、あらゆる交渉と攻撃の基本。一つは、団体交渉で反対派の一部を取り込むことで反対派の団結を防ぐ。もう一つは、支配的なシェアを持つ企業による後追い製品の開発と販売。特定のカテゴリの新製品を弱者から新たに発売されたとき、強者は必ず同じカテゴリの類似製品を投入する。新カテゴリの製品人気を分断して、シェアの逆転を許さない(追従戦略)。秦の始皇帝は、ライバルの六国を仲違いさせて各個撃破した。
(3)リーダーは常に現実を直視し外界の翻訳者になる
ビジネスでもリーダーこそが外界の翻訳者である。社会環境を翻訳し、自社のビジネスの意義を内部に説明するのはトップの役割。アステカを征服したコルテスは、外界を敵と定義して部下の集団に知らせ、戦略を噛み砕いて集団に教えた。そして、部下の心理を掌握し勇敢な戦闘へと指導した。
感想
史実の勝因・敗因を戦略論として解説しています。非常によくまとまっています。その分、少しこじつけのように感じる所も無くはないですが、歴史と現代の企業戦略を結び付けて解説しているところは非常に面白いです。
NEXT ACTION
- 自分が追いかける立場であれば、弱者から攻撃する。自分が追われる立場であれば、弱者たちを分断させる。