目次
はじめに
第一章 物語の発端
第二章 公衆衛生との関わりのなかで
第三章 裁判と解放
第四章 再発見と、その後
第五章 象徴化する「チフスのメアリー」
おわりに
感想
「チフスのメアリー」と呼ばれる、腸チフスの健康保菌者(キャリア)となってしまった女性の物語です。本人は健康であるのに、自由を奪い隔離してもよいのか、という公衆衛生における個人と全体の利害対立の問題を解説しています。現代では、感染症を広める可能性のある人は隔離されるということに対して疑問はないですが、当時は相当な論争になったようです。今こそ読むべき本の一つだと思いました。