目次
はじめに
序章 なぜ、組織は「病んでいく」のか?
第1章 マイナス感情の感染メカニズム
第2章 マイナス感情の発生メカニズム
第3章 マイナス感情の伝染メカニズム
第4章 組織活性化のための「ターゲティング戦略」
第5章 組織活性化のための「正しいデータ活用法」
終章 「社員を幸せに」する前にやるべきこと
気付き
(1)個人活性3タイプと離職のパターン
①積極的離職(働きがいが傷んでくると、発生リスクが増加。さらなるやりがいを求めて次の会社にステップアップしていくという離職)。②消極的離職(働きやすさが低下していくと、発生リスクが増加。もうこの職場では働きたくないという現状からの回避としての離職)。③離脱(心身コンディションの悪化が起きると、発生リスクが増加。メンタルダウンや身体疾患などにより休職や退職せざるを得なくなる)。働きやすさへの施策は、マイナス状態をゼロに持って行くこと、働きがいへの施策は、ゼロ状態をプラス状態に持って行く施策である。従業員満足度ESは、働きやすさのみを示していることが多いことに注意。組織活性が高い組織の共通点は、①経営者が社員のココロに興味を持ち組織活性を重要視していること。②活性の3要素のしっかりとバランスよく充実していること。③タレントマネジメントがしっかりとしていること。
(2)社内人材をセグメンテーションする
人材を①優秀(10%)、②ハイポテンシャル(10%)、③足り上がり(10~20%)、④普通(50~60%)、⑤ぶら下がり(0~10%)に分けて、離職最適化を図る。離職ゼロを目指すのではない。優先順位は、ハイポテンシャル→立ち上がり→優秀→普通→ぶら下がりである。
(3)組織活性の改善
組織の従業員満足度と定着スコアで分類した時に、定着スコアも従業員満足度も高い組織がパラダイス、満足度は高いが定着スコアが低いとステップ、定着スコアは高いが満足度が低いとぶら下がり、両方とも低いと荒野である。ステップはリクルート社に代表される。業種によってはステップを目指すべき場合もある。一方人材確保が難しい分野や長期にわたって一貫性を求められる業務はパラダイスを目指すこと。
感想
人材の離職について徹底的に考察した組織論の本です。独自の切り口でとてもシンプルでわかりやすく、また読みやすい本でした。