目次
序章 三五年の研究から導き出した「マネジメントの新常識」
第1章 組織の最前線の風景から 世界的メーカーの破滅への道のり
第2章 インナーワークライフ 認識と感情とモチベーションの相互作用
第3章 インナーワークライフ効果 創造性と生産性が高まる
第4章 「進捗の法則」の発見 マネジャーにとって最も大切な仕事
第5章 進捗の法則 やりがいのある仕事が前に進むように支援する
第6章 触媒ファクター 仕事がうまくいくよう支援する
第7章 栄養ファクター 人が気持ちよく動けるよう支援する
第8章 進捗チェックリスト 好循環を維持し、悪循環を断ち切る
終章 マネジャー自身のインナーワークライフ
気付き
(1)インナーワークライフと進捗の法則
インナーワークライフとは、職場での出来事に対する反応や状況認識を通じて体験する認識、感情、モチベーションから成り立つもの。その構成要素は、認識(組織、チーム、仕事、達成感)、感情、モチベーションである。インナーワークライフに影響を与えるポジティブな出来事は、進捗の法則、触媒ファクター、栄養ファクターがある。その中で最も強力なのがやりがいのある仕事が進捗することである。触媒ファクターは7つあり、①明確な目的を設定する、②自主性を与える、③リソースを提供する、④十分な時間を与える(しかし与えすぎてはいけない)、⑤仕事をサポートする、⑥問題と成功から学ぶ、⑦自由活発なアイデア交換である。
(2)やりがいを失くす4つの道
マネジャーは仕事にやりがいを与えるために特別長く時間を費やす必要はない。一方で社員にその仕事がどのように役立っているか伝える必要がある。そして、最も重要なのは、マネジャーは仕事の価値を失くす行動を避けるべきだということ。つまり、①自分の仕事やアイデアがリーダーや仕事仲間から相手にされないこと、②自分の仕事から当事者意識が失われること、③自分たちが従事している仕事は日の目を見ないのではないかと社員に疑念を抱かせること、④頼まれた数多くの具体的な作業に対して、自分にはもっと能力があるのにと感じてしまうとき、意義ある仕事からやりがいが失われる。
(3)間違った考え方を持つマネジャーの犯す4つのミス
部下たちの進捗を密に把握することと、彼らをマイクロマネジメントすることには微妙な線引きがある。ミスの一つ目は、仕事を行う自主性を許そうとしないこと。二つ目に、問題が生じても部下たちに実際のサポートを何ら提供することなく度々仕事について尋ねること。三つ目に、問題が生じるとすぐに誰かを責めたがり、部下たちを原因や取り得る解決策のオープンな探求に導こうとしないこと。結局部下たちは障害やそれを乗り越える方法を誠実に話し合うのではなく「良い社員」であることを目指すようになる。四つ目に、仕事に関する情報をメンバーたちに共有しないこと。
感想
メンタリストDaiGoさんもおすすめする本です。データが膨大で結構長いですが、やりがいのある仕事が進捗することが最も大切であるというエッセンスだけでも十分価値があります。
NEXT ACTION
- 仕事の意義を伝え、進捗をサポートする。