BOOK LOG DIARY

~成長とは気付きにより思考が変わり、行動が変わり、結果が変わることである~

★★AI vs. 教科書が読めない子どもたち 新井紀子

f:id:akinaritodoroki:20211128202736j:plain

目次

はじめに

第1章 MARCHに合格 ーAIはライバル

第2章 桜散る ーシンギュラリティはSF

第3章 教科書が読めない ー全国読解力調査

第4章 最悪のシナリオ

おわりに

 

気付き

(1)論理・確率・統計

長い歴史を通して数学は人間の認識や人間が認識している事象を説明する手段として、論理と確率、統計という言葉を獲得してきた。四則計算や幾何学、関数などは、論理的につまり演繹的に言えることである。この3つが科学で使える言葉のすべて。AIとは計算機であり、数学の言葉に置き換えることのできないことは計算できない。一方、私たちの知能の営みは、すべて論理と確率、統計に置き換えることはできない。AIには意味が理解できないのだ。

(2)科学や技術の限界

科学や技術とは「なんだかよくわからないけれども複雑なこと」を、数学の言葉を使って言語化し、説明していく営み。それと同時に、言語化できなかったことを、痛みをもって記憶することでもある。そして、前者以上に後者が大切。言語化し数値化し測定し数理モデル化することは、つまり無理にかたづけること。かたづける腕力を持つのと同時に、そこで豊かさが失われることの痛みを知っている人だけが、一流の科学者や技術者たりうる。

(3)AI導入過程で分断されるホワイトカラー

AIに代替されない仕事ができる人材は大きな報酬を得るだろう。教師データの設計をするアノテーション設計やオントロジー設計は、最も知的で、最も観察眼と才能と、忍耐と誠実さが求められる仕事でありながら、現状十分な対価が支払われていない。それは担い手の多くが女性だからである。AIでは絶対に代替できない介護や子育てといった仕事の多くは、女性が担っている。

 

感想

AIで東大入試合格を目指したプロジェクトを行った著者です。前半は、AIの限界についての話、後半は子供の読解力が低下していることについての問題提起です。このままでは、AIに仕事を奪われてしまう未来が危惧されます。しかし、この本の印税は全て読解力テストの普及に充てられるなど、著者の方の危機感と愛が感じられます。