目次
序章
第1部 欠乏のマインドセット
第1章 集中とトンネリング
第2章 処理能力への負荷
第2部 欠乏が欠乏を生む
第3章 荷づくりとスラック
第4章 専門知識
第5章 借金と近視眼
第6章 欠乏の罠
第7章 貧困
第3部 欠乏に合わせた設計
第8章 貧困者の生活改善
第9章 組織における欠乏への対処
第10章 日常生活への欠乏
結論
解説 我々は欠乏の罠から抜け出せるか
気付き
(1)欠乏の功罪
締め切り直前の文章が捗るように、時間の欠乏が集中力を高める(集中力ボーナス)。集中ボーナスは、時間だけでなくモノやお金などの他の資源が欠乏した時にも同じように生じる。しかしマイナスの面もあり、集中する分ほかのことが見えなくなってしまう(トンネリング)。このプラスとマイナスの効果は、マイナスの方が圧倒的に強い。欠乏に伴う集中によって脳の処理能力に大きな負荷がかかること、トンネリングによって本来重要な問題が無視されてしまうことの弊害が大きすぎる。
(2)処理能力の問題
貧しい人は現金が足りないだけでなく処理能力も足りない。子育てなど様々な行動が処理能力に依存している。処理能力に過剰な負荷がかかると忘れる傾向が強くなる。
(3)一回限りの行動を変える
定期的にジムに通うのは、ジムの会員になることよりはるかに難しい。選択には、心がけの選択と一回限りの選択がある。トンネリングを起こしているときは、正しいことを繰り返しやらなくてはならないより、一度だけやる方がはるかに楽だ。心がけを必要とする行為を、できるだけ一回限りの行動に変えることだ。食料庫からおやつを取り出すたびに心がけなくてはならないより、スーパーで心がければすむようにしよう。
感想
名著です。即効的な時間術のノウハウではないですが、貧困の構造など、学術的に面白く、読みごたえはありますが、一度読んでみては損はしない本です。
NEXT ACTION
- 継続的な意志力を必要とするものは、極力一回限りの行動を変えるようにする。